スタンプラリー~ビュー富士川~リゾートJINRIKI~ASAMAPart3
三日目
流石に10月も半ばを過ぎた甲府盆地の朝は、確実に平地より寒く朝食を摂り表へ出ると身が締まる。
昨日までの装備に加えレッグウォーマーを装着して甲府の市街地を西へ走り出す。
暫く住宅街の路地を縫うように進んでいく。少し広めの道で線路を跨ぐと徐々に高度を上げ中央道にぶつかり、激しいアップダウンの高側道の頂で双葉SAを見ることが出来る。そしてこれから越える八ヶ岳の山々を(八ヶ岳自体は越えないけど)
双葉SA脇の道から県道に合流しさらに国道20号の旧道に入って一旦、竜王の市街地まで降りるような恰好でそこから国道141号に入り清里に向かう。ほぼまっすぐな道は時折荒々しい崖を横目に見つつ登っていく。須玉ICにぶち当たり中央道を潜った先の交差点で左折し、初めて通ったのが清里のスキー場に向かう為だった25年も前という国道に別れを告げる。そしてカーブを繰り返しながら急激に高度を上げていく。ここから勾配がきつくしかも延々と登り続けることになり上がる標高と反比例するように曇天で落ちていく気温が合わさって想定以上に体力とメンタルを削られた。
必死になって登り続けあともう少しで正午というタイミングでローソンがあったので入って休息。値引きになっていた肉厚のロースカツサンドとドリンクを寒空の下で貪るように食い再び長い登りが始まる。昔、有料道路だった区間に入ると見晴らしはいいはずなのに曇天、そして嫌いな縦グルービング舗装区間が橋の崖側とコンボで襲ってきプレッシャーは最高潮に達した。
所が、旧有料道路区間を抜け、国道141号本道に合流したくらいから雲がまばらになり眩しい秋の日差しに包まれながら既に紅葉真っ只中の高原を走り抜けていく感じになりとても気持ちがいい。
国道が斜めカーブで進行方向を変える所で県道でもない村道というか農道のような道に入ってヘアピン連続の下りを避ける。
その先がこのツーリングの最高標高地点だった。
本当にたまにしか自動車が通らない静かな道をいよいよ下り始める。回避した国道の連続ヘアピンよりは緩く傾斜はキツい中をビビリミッター全開でゆっくり下っていき、国道と小海線が並走する地点まで行く。
すると少し国道を北上したところで「海の口」駅がある。あえてこの駅を取り上げる理由は勘のいい人ならわかるアニメネタの変化球版である。(アニメネタの海ノ口駅は小海線ではなく大糸線) 私はこちらの海の口駅も雰囲気が長閑で大好きである。
ここからは再び国道141号を小海線と共に北上する。途中手作りパン屋さん兼カフェを見つけて休憩。
休憩を終えて外に出ると日はかなり傾き空気もひんやりしている。疲労も結構溜まっていたので今日の宿泊先までの経路途中でマッサージ店を探す。すると、宿に着くちょっと手前に評判のいい中国整体のお店を見つけたのでそこを目指すことにした。
高校生の頃にマウンテンバイクレースに出場するため親に連れてきてもらった小海RE-EXをスルーしロックシェッドに近づいた辺りで工事渋滞が起きていたので川を渡り県道2号線に回避。が、入ってすぐ「秩父困民党最期の地」の看板を見つけ、しかも近いことから寄ることにした。この事件については今年前半に知人の誘いで秩父側のある秘湯に寄った際にも舞台として色々語られていた事や背景含め色々思うところはある。慰霊碑は古かったが案内看板や本陣跡は最近見直されて整備されたらしい。
さて、県道2号線に戻る。この道は数年前の佐久から甲府へのドライブで開拓した佐久~小海の裏ルートである。道幅狭くわりと古い住宅街の真ん中を通るが信号が圧倒的に少なくのんびりほっこり走れる道である。ただ、10月の午後という事もありどんどん傾く日に焦りを覚え、頑張ってペダルを回し、佐久市へ入る。東側を向くとこの日は夕方だというのにすでに月がしかも大きく昇っていて思わず足を止めて撮影してしまう。
坂を上り切った先で県道の旧道らしき方へ入って少し行った所に目当てのマッサージ店を発見する。初回料金の激安ぶりに愕然としさらに無情の張り紙に愕然とする。そう、ガチな「向こう」の人たちにとっての大型の休み期間に運悪く当たっていたらしく10日近く休業している真っただ中だった。
ガッカリし、さらに日も落ちていよいよ冷え込んできたので宿へ急ぐ。
宿がある佐久平駅前に珍しい新幹線駅の構造(旧在来線は高架、新幹線駅は半地下)により大きく迂回させられるトラップが潜んでいたが何とか到着。宿に入り受付でマッサージの手配をするとあっという間に来てくれて30分ほどしてもらう。少しだけ足の疲れは取れた。
最後に