月と太陽と星と水瓶と

飛鳥井誠一のお仕事や近況です。略歴はこちら> http://profile.hatena.ne.jp/A-sky/

ハイ!ろぉど?的Coast to Coast③

3日目 エクストラステージはボーナスではなくボスのオンパレードだよね(死

サブタイトルはシューティングゲームでよくあったですね……


目を覚ますと流石に上半身を中心に疲労が抜けなくなってきていた。

ただ、自転車乗るには十分なコンディションは確保できているので輪行で帰らずにこのまま走る事にした。目的地は一昨日と反対側の海である日本海。ざっと130㎞。
1日目迷って予定より距離乗ったので3日間130㎞×3で390㎞とほぼ400㎞の見込み。

自己最高である。


折角なので朝風呂と洒落込む。お湯も昨夜に比べて心なしか優しい感じで体がゆっくりと目覚めていく。素泊まりの宿だったので朝食をコンビニで済ませて出発し、湖畔を流してから塩尻峠に挑む。峠とはいえ、高低差は昨日まで越えた峠に比べたら遥かに緩いのでゆっくり確実に登っていく。途中大型タンク車に50㎝位すれすれで抜かれたりヒヤヒヤな場面もあったけど1時間足らずで頂点を越える。下りは車だとかなり高速ステージな峠であるが今日は安全第一、スピードを抑えて路肩側に溜まった冬場の砂利に乗らない様に降りていく。すると途中に小洒落たワイナリーを見つけた。いつの間に始めたのか?

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塩尻峠 諏訪湖畔 サンサンワイナリー




気になったので立ち寄ると駐車場から眺める北アルプスの眺めがとても良い。
レストラン兼ショップそして駐車場の袂には垣根づくりの畑が広がる。
スタッフに話を聞くとかつてマンズワインキッコーマンの系列のワイナリー)で腕を振るった人が最後の仕事として手掛けたところだそう。
個人的には好きな筋なので日を改めて訪れたい場所であった。
(今の日本ワインの技術的な側面を語る時にマンズの功績は他のメジャーよりはるかに大きい)

塩尻~松本の車の波を何とか潜り抜け犀川沿いに出る。ちょっと遠回りしつつ大町方面へのメインルート県道51号線で北上しようとする。
いつもだと車で渋滞も殆どない快走路であり、ガンガンスピード上げていこうとしたが思わぬ強敵に苦戦を強いられることになってしまった。
それは自転車の大敵、向かい風。しかも民家に据え付けられた5m近い鯉のぼりが元気に泳ぐ位になる強風。真直ぐ前進むのも覚束ない所まで追い込まれ、路面状態も車では気がつかなかったけれど全体的に舗装が波打っていて走り辛い。補給ポイントである池田町のJAファミマに着く頃には余裕が全くない状態だった。
その後は多少風は収まったが、大町中心部を過ぎる辺りから再び強まり四苦八苦。

木崎湖名物の縁川商店に着く頃には予定より1時間の遅れとなっていた。
だが、そこまで苦労した後に食べる小石のうどん*1は格別だった。
ここのお姉さんは私が浜松~糸魚川挑戦しているといったら直ぐ「中央構造線走ってるんだ~すごーい」とすぐ察してくれて嬉しい。

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途中渡った橋の中心からの北アル 小石のうどん(再訪時の画像) 木崎湖

縁川商店を後にして白馬を目指す。青木湖までじわじわと高度を上げていく。眼下には休耕田一面に菜の花が咲き、遅い春を謳歌している。
連続した青木湖トンネルを越え、緩やかなヘアピンカーブで白馬村に降りていく。道の駅白馬で土産を買って18時糸魚川着を目標に走り続ける。川を渡る様に掲げられた鯉のぼりと背後の白馬の山々のコントラストに感動したりしつつ栂池高原を過ぎ、南小谷駅を通過する。ここからが次なる地獄の始まりだった。

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鯉のぼりの橋?といかにもな古い橋 この後の地獄は……

「トンネル内、歩行者・自転車に注意!!」という警告看板が目に入る。こういう看板が掲げられたトンネルは大概、距離の割に狭くて歩道や自転車が走れるような路側帯が無いと相場が決まっている。だが、地図を見ても他にまともそうな道が無い為突入。案の定、交通量の割に狭いし、アップダウンはあるし、路肩は煤けていて滑りやすくめちゃくちゃ走りにくかった。挙句の果てに自転車殺しの縦グルービングが施された箇所もあり何度となく下りでも恐る恐る徐行で走る事になった。

長いトンネルを何度か抜けて道の駅小谷で堪らず休憩をする。時間的というより精神疲労で中の店を覗く気力が湧かない。
多少気持ちを落ち着かせてから再び走り出すと直ぐに左側に使われていない長大隧道というかスノーシェッドが有って「そういえば、山さいがねがにこの辺りの隧道レポあったなぁ」と思い出し少しそそられるが再び始まったトンネル地獄ですっかり忘却の彼方へ。ちなみに帰宅して数日後に確認したら物件的にジャストミートかつ身震いするようなレポがヒットして驚いた。

yamaiga.com


トンネルを使ったルートしかヒットせず山越えか川伝いの旧道が影も形もない
理由がこれだったのか……


先程よりスノーシェッド率が上がり、右側に少し外の景色が見えるが目の前の路面状態の悪さと交通量に悲鳴を上げながら必死に自転車を漕ぐ。
トンネル地獄を抜け切る頃には空は茜色に染まりつつあった。

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塩の道 走る中央構造線w 地獄を抜けた直後、夕暮れのR148

姫川はその名と裏腹に所々に巨岩が点在したり流れが激しい。そして千国街道も変わらず車通りが激しい。
姫川の土手沿いによさげな道を見つけると堪らず避難する。途中未整備で迂回もしたがお陰でR8近くまで楽に走ることが出来た。
そして、18:10。姫川港で海面タッチ!

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夕暮れの姫川。大きな石だらけ 姫川港タッチ! この辺り

天竜川河口近くの太平洋~姫川近くの姫川港で日本海2泊3日縦断凡そ400㎞達成!

 

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桁が跳んだ総走行時間とか



ちなみに業界的にこういうのCoast to Coast というらしい。
奇遇ですがこの日の為に修理を兼ねて交換したフロントフォーク。本来セットされていた自転車は10年前のBianchiロードバイクで、今回その放出品らしきものをネットオークションで入手してつけたのですが、調べてびっくり!そのコンセプトがまさにこのCoast to Coast。

https://www.cycleurope.co.jp/2008/928105.html

付き合って1年のCerasusとの一つの集大成となりました。

 

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買って間もない頃 そしてC2Cの2週間後に小熊山登った時のCerasus

 

達成感と充実した3日間だった。
ただまあ、峠5発はともかく千国街道のトンネル地獄はもう二度と味わいたくないので2度目は無いな(ばたり

*1:知らない人は少ないと思うけど小石のうどんとは縁川商店(正式名称:Yショップ ニシ)が登場したアニメの登場人物にちなんだ温玉乗せカレーうどん
画像は別件で2週間後に再訪した際のもの